同棲解消初日+翌日
失恋初日
『話がある』
そうメールが来てから数時間、別れ話と薄々気づきながらも「まぁそれもそれか」くらいな関係性になってしまっていた日々を思い返し、少しの寂しさとわずらしさを覚えていた。
彼女が家に帰ってくる。
猫を撫で、少し間が持たないようにそわそわしている。話にくそうにしている彼女に僕は話は何かと問う。
「率直に言うと別れたい」
想像していた答えをもらい、二つ返事で「そうかーわかったよー」と気のない返事をした。
最低限の荷物をまとめ、部屋を去る彼女。僕たちの5年間と3年の同棲はたった15分の別れ話で幕を下ろした。
どこぞの携帯小説ですかこれは。
どこ空ですか。魔法のどこランドですか。ド、ド、ドコランドですか。
携帯小説でも3アクセスの三文ドラマの実情も、別れたいという言葉をもらった時には(来る時が来たか)くらいの気持ちであっさり受け入れ、一人残された部屋もそれほど寂しいものではありませんでした。そのままぐっすり眠れたほどです。
問題は、次の日から。
一人目覚めた朝に別れたんだという現実が急に襲い、急に目の前が真っ暗ら?いや真っ白になる。
昔友達に、「目の前が真っ暗のうちは暗闇に何かあるかわからないだけまし、真っ白は本当に何も無い状態がわかるから最悪だよ」と偉そうに言ったのを思い出しました。我ながら何の表現だ。
そこからは時間追うごとに地獄の下層を降りてくような状態。
まーびっくり本当に食べられない寝られない。
不安が全身を覆い、じっとしていると存在がかき消されそうな気がして部屋の中うろうろしていました。実際5キロ体重は落ち、今でも減少中です。
仕事に集中して気を紛らわせようとするも、脳がオートで彼女の事を考えてしまい全く集中できない。社会人失格。
(今ならまだやりなおせるかも)(いや別れを切り出した彼女の気持ちを尊重すべき)(いやいやというか理由も聞かず納得して良かったのか?)
そんな考えが頭の中でぐるぐるぐるぐるして消える事がなかったです。そうは言っても現実的に向こうの荷物もあるし、向こうがもってきた猫もいるし、そういった話し合いはしなくてはいけなかったので、後日また会うことに。怖いのか嬉しいのかわからない。
ちなみにその夜ワールドカップの日本代表の試合があって、どうせ寝れないから全部見てたんですが、全く頭に入ってこなかったです。日本全国が盛り上がってるのに自分一人だけが取り残されているような気分でした。
失恋はんぱないって
こんなきついなら言っといてやー!
こんなきついなんて知らんやん!